鍼灸マッサージ保険請求編

学校で鍼灸マッサージも医療保険を利用して施術出来ると学びました

でも実際自分でやるとなると具体的な方法が分かりません…

保険請求についてはしっかりと理解していきましょう!

第1回は療養費同意書について説明します!

こんにちは、絶賛寝ちがえ中のヘッポコです

↑の様なことを若い鍼灸師さんから相談されます

僕自身も保険を利用した訪問マッサージの会社に入社し、勉強させてもらうまで

制度について詳しく分かっていませんでした

「手っ取り早くレセプトの書き方だけ説明してよ!」

こんな声が聞こえてきそうですが、保険制度についてはしっかり理解する事をおススメします

医療保険は国民みんなのお金を使わせてもらって治療する制度です

法律やルールを破ってしまうと治療院にもペナルティーが与えられます!

絶対に違法な請求はしない様にしましょう!

療養費の支給とは?

最初だけ堅苦しい話が続きますが、なんとかついてきてください💦

私たちが病院で治療を受け、3割負担分だけ料金を払う事を「療養の給付」と言います

残りの7割は組合や国保連等から直接医療機関に支払われます

一方、私たち鍼灸マッサージ師が利用している制度を「療養費の支給」といいます

療養費の支給は原則として治療を受けた患者さんが治療院に全額負担で支払い

後で保険組合などに自己負担分以外の7割を自分で請求します

これを「償還払い」と言います。難しい言葉ですが、すごく大事なのでこれは覚えましょう!

償還払いは患者さんが自分で請求を行う為、患者さんにすごく負担がかかる制度です

そこで患者さんの負担を減らす為の制度が「受領委任払い」という制度です

私たち鍼灸師が「療養費支給申請書」いわゆるレセプトに患者さんから署名・捺印を頂く事

患者さんから自身の負担分だけ(3割分)をもらい

保険者負担分(7割分)は、施術を行った鍼灸師が代わりに保険者(保険組合)に請求出来る制度です

ややこしい言葉ばっかり!これ本当に覚える意味あるの?

ここを理解していないと後々困るんだよ!

あと少しだから頑張ってね!

受領委任払いは患者さんからすると、捺印と署名する以外は病院と同じ様に治療が受けられるので

大変便利な制度と言えます

会社員などが加入している健康保険組合では、「受領委任払い」を認めず「償還払い」にしている

組合が多くなっています

医師の同意書について

みなさんも学校で学んだと思いますが、鍼灸マッサージ施術で療養費の支給を受ける場合

患者さんの主治医に同意書の作成をしてもらわなくてはなりません

医師の同意書がなければ療養費を請求することは出来ないのです

どういう患者さんが同意書を作成してもらえるのかを説明していきますね!

鍼灸とマッサージでは同意書の記載内容が異なることも覚えておきましょう!

鍼灸の同意書から説明していきますね♪

鍼灸の同意書交付について

鍼、灸の療養費の支給対象となる疾病は、慢性病(慢性的な疼痛を主訴とする疾病)
であって保険医による適当な治療手段のないものです。
具体的には
1. 神経痛
2. リウマチ
3. 腰痛症
4. 五十肩
5. 頚腕症候群
6. 頸椎捻挫後遺症
7. その他類似する疾患

厚生労働所HPより引用

↑の6疾患が療養費の支給対象となります

重要なのは保険医による適当な治療手段がない場合という点です

例えば、患者さんが神経痛を抑えるために湿布をもらっている場合

治療手段があるとみなされ、神経痛で療養費を請求する事が出来ません

請求したとしても返戻(へんれい)といって、レセプトを差し戻しされてしまいます

患者さんに療養費の利用を勧める場合には

上記の6疾患に該当しているかその疾患に対して湿布などの治療を受けていないか

必ず確認しなければ、請求が無効になっていまいますので要注意です!!

    

6疾患って言うけど、厚労省のHPは7番まであるでしょ?

どういうこと?

リアルな話「⑦その他の類似疾患」は使用しない方がベターだよ

なかなか認めてもらえないし、主治医に保険者(保険組合)から

問い合わせがいく為、忙しい主医師に迷惑を掛けてしまうんだ…

↑の様な事を書くと怒られてしまうかもしれませんが、これが現場のリアルな実情です

主治医の先生は忙しい中で同意書を作成してくれています

ただでさえ忙しい中、問い合わせが多発したら面倒臭くなって同意書を作らなくなってしまいます

なので基本的には6疾患に該当する患者さんに対してだけ、同意書を作成してもらいましょう!


では、続いてマッサージの同意書について説明します♪

あん摩マッサージ指圧の同意書交付について

あん摩マッサージ指圧の療養費の支給対象となる適応症は、一律にその診断名によることなく筋麻痺・筋萎縮・関節拘縮等、医療上マッサージ又は変形徒手矯正術を必要とする症例です
厚労省HPより

↑の様に説明されています

鍼灸では疾患名が決まっていましたが、マッサージは疾患名は関係なく

筋麻痺・筋委縮・関節拘縮等の症状がある方が対象となります

すごく大事な事なので必ず覚えましょう!

ちなみに訪問施術を行って療養費の支給が認められる条件は

筋麻痺・筋委縮・関節拘縮等の症状があり、更に自力での歩行が難しく治療院への通院が難しい方

重要なのは自分一人で通院が出来ない場合という点です

昨今、訪問マッサージの業者が増えて歩行出来る患者さんに対しても

訪問施術を行っている例を見ることがあります

歩ける患者さんに対しては往療料(出張費みたいなものです)は絶対に取れません!

レセプトをごまかして請求すると嘘が発覚した場合、返戻になって施術料を返還したり

最悪の場合、保険請求をしばらくの間出来なくなりますので絶対にルールは守りましょう!

今回のまとめ

今回は療養費の支給同意書について大まかに説明しました

今回の事をまとめると以下の通りです

  • 私たち鍼灸師が利用する保険制度は「療養費の支給」という制度である
  • 療養費の支給には償還払い受領委任払いの2つがある
  • 鍼灸の同意書は基本6疾患の患者が対象
  • マッサージの同意書は筋麻痺・筋委縮・関節拘縮等の症状がある人が対象

なんとなく理解出来ましたか?

忘れてしまったら、このブログを何度も読み返していただけたら嬉しいです♬

次回は実際の同意書を見ながら書き方をレクチャーします!

今日はお疲れさまでした!

コメント